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Pe-3 (航空機) : ミニ英和和英辞書
Pe-3 (航空機)[き, はた]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

航空 : [こうくう]
 【名詞】 1. aviation 2. flying 
航空機 : [こうくうき]
 【名詞】 1. aircraft 
: [そら]
 【名詞】 1. sky 2. the heavens 
: [き, はた]
 (n) loom

Pe-3 (航空機) : ウィキペディア日本語版
Pe-3 (航空機)[き, はた]

ペトリャコフ Pe-3第二次世界大戦中にソビエト連邦で使用された傑作機であるペトリャコフ Pe-2高速爆撃機の長距離戦闘機兼夜間戦闘機型である。
Pe-3の設計と用途はドイツ空軍ユンカース Ju88イギリス空軍デ・ハビランド モスキートと同様の過程を辿った。ソビエトはバルバロッサ作戦モスクワが夜間爆撃を受けたことから夜間戦闘機の必要性を認識した。そして入手可能な航空機のなかで夜間戦闘機への改造に最適なものとしてPe-2が選ばれた。
Pe-3は当初、モスクワの戦いにおいて昼間の地上攻撃任務に使用されたが、装甲されていなかったために多くの犠牲を出した。装甲と武装が追加されたが、1941年10月にPe-3を生産していた唯一の工場が疎開したことでPe-3の調達数は限定され、Pe-3を使用するソ連空軍の多くの部隊は解散または他の航空機への転換を余儀なくされた。数回に渡って生産の中止と再開が繰り返されながらも、Pe-3は第二次世界大戦を通じて使用され続けた。後期生産型のほとんどは偵察部隊に配備された。
==開発==
1941年6月のドイツによるモスクワ夜間爆撃を受けて、重武装と長い滞空時間を持つ夜間戦闘機を目標とした泥縄式の開発計画が始まった。当時生産されていた航空機のうち、唯一極めて短期間の改造期限に間に合わせられる可能性があり、また最も高速な双発機でもあったことから、国防人民委員部(—NKO)は改造母体としてPe-2を選んだ。命令はPe-2の燃料と武装、無線装置をたった4日で改造することを求めるものだったが、期限には間に合って8月7日には試作機の初飛行に成功し、後日行われた生産試験にも合格した〔Smith, p. 39〕。
試作機には合計で700リットルの容量を持つ3つの追加燃料タンクが搭載され、そのうち1つは爆弾倉に、2つは胴体内部の機銃手の位置に収められた。追加武装として、機首には弾数150発の12.7 mm UBK機関銃が、尾部には弾数250発の7.62 mm ShKAS機関銃が搭載された。胴体の爆弾架を2つ撤去したことで爆弾の最大搭載量は700 kgまで低下し、胴体の爆弾架に250 kg爆弾を各1発とエンジンナセルに100 kg爆弾を各1発搭載できた。電気式の爆弾投下装置は撤去され、もともとは緊急用だった機械式の投下装置を使用しなければならなかった。翼下のダイブブレーキも撤去された。BSBbis無線機は単座戦闘機で広く使用されていたRSI-4型に交換され、無線方位測定器も重量削減のために撤去された。試作機の空虚重量は5,890 kg、通常離陸重量は7,800 kgであり、当時生産されていたPe-2よりわずかに重かった。テスト中には高度5,000 mで最大速度530 km/h、実用上限高度9,000 m、最大航続距離2,150 kmの性能を示した。この性能は十分なものと判断され、8月14日にはモスクワの第39工場に5機の量産試作機を製造して8月25日までに引き渡すよう命令が下された。この過程では多くの新規部品について図面が用意されていなかったため手直しをしながら装着しなければならず、生産が遅れるという困難に見舞われた〔Gordon, pp. 381–83〕。
8月29日から9月7日にかけて、量産試作機に対して確認範囲をいくらか増やした試験が空軍科学試験機構(—NII VVS)により行われた。NII VVSは先の性能値を確認したが、試験ではそれ以外の問題も判明した。下側のUBK機銃を撃つと機首下面のプレキシグラス窓にひびが入る問題は、当初はいくつかの窓をジュラルミン板に交換することで解決したが、これは強度が十分でないことが判明し、後に鋼板に交換された。また、大口径機関銃から排出された薬莢や弾帯が翼の外板を損傷し、また時折ラジエータの空気取り入れ口に入り込んで広範囲に損傷を与える可能性があることが明らかになった。排莢孔の形状変更では効果がなく、薬莢を機首に回収するように改めることになった。それ以外にも量産ラインを修正しなければならない複数の欠点が判明した。Pe-3の攻撃力は貧弱すぎたため、1門の20 mm ShVAK機関砲が追加された。背部の7.62 mm ShKAS機関銃の火力も不足していると判断され、量産ライン上で12.7 mm UBT機関銃に変更された。乗員を防護するために生産ライン上で前面に装甲が追加され、航法士を防護するために既存の装甲が後方に延長された。量産ラインではまたRSI-4無線機をより通信範囲が広い型に変更し、偵察任務のためのカメラも追加された。最初に生産された機体のほとんどはそれらの改修がなされずに部隊へ引き渡されたが、工場のチームにより後に現地で改修された〔Gordon, pp. 383–84〕。
最初のPe-3はモスクワ軍管区の第95高速爆撃機航空連隊に引き渡された。実戦部隊で使用された結果、また別の問題が判明した。夜間発砲時の発砲炎や、機首下面の窓を通じて入る探照灯の光で操縦士の目が眩み、夜間視力が奪われることが分かったのである。また、乗員から前面装甲が不足しておりドイツ爆撃機の防御砲火に弱いことに激しい不満が出た。消炎器を装着し、窓を覆うカーテンを追加したことで前者の問題は解決されたが、装甲の不足はすぐには改善できなかった。また多くのPe-3に4-6発のRS-82またはRS-132を搭載できるように発射機が装備された。それ以外の共通の改装点としては、尾部へのDAG-10航空榴弾の発射装置搭載が挙げられる〔Smith, pp. 41–44〕。
ペトリャコフ設計局は9月中にそれらの問題に取り組み、Pe-3bis〔bisは航空機や武器の大幅な改良を示すためにソ連で使用された接尾辞〕の試作機を9月から10月にかけて試験した。武装は各UBKの装弾数が250発になり、装弾数250発のShVAK 20 mm機関銃が機首に搭載され、背部の7.62 mm ShVAK機関銃は装弾数180発の12.7 mm UBT機関銃に変更された。前面装甲が取り付けられ、航法士席の装甲はより厚くなり全体の重量で136 kgになった。自動前縁スラットが追加され、窒素式燃料タンク加圧装置はエンジン排気を利用した不活性ガスを使用するものに交換された。クラッシュパイロンは前方に48 cm移動され、操縦席のキャノピーは短縮された〔Gordon, p. 384〕。
これらの変更の多くはPe-3bisの生産が再開される1942年4月以前に行われた。また戦闘で使用されたことでさらに数点の問題が明らかになった。Pe-3bisの2機目の試作機ではそれらの問題に対処し、1942年5月に受領試験が行われた〔Smith, p. 44〕。機首武装の再装填には最大45分の時間がかかることが判明し、また夜間に左側のUBKを発射すると操縦士の視界を奪う問題は続いた。これらの問題により両側のUBKは内翼に移され、前方をヒンジ固定にして整備時にはそれを下におろすことで機銃と弾薬にアクセスしやすくなった。右翼のUBKの装弾数は230発で、左翼のUBKの装弾数は265発だった。この変更により第7燃料タンクの容量は100リットルに減少したが、機銃の発射に伴う熱から燃料タンクを保護するために石綿製の隔壁が加えられた。この変更により機首のShVAK機関砲の薬莢が回収できなくなったためし、機体表面と胴体下面が破損しやすくなった。損傷を最小化するため、鋼板による補強が行われた。背部のUBT機関銃の射界は素晴らしいものだったが、空気力学的バランスを欠いていたため銃手兼航法士はそのすべてを使うことができなかった。空気の流れにより発生する圧力のため、機体中心軸から左右に40-50°以上動せず、2枚の板からなる補償装置もほとんど効果がないことが分かった。銃手席の空間を広げるためにクラッシュパイロンは取り除かれた。UBTの弾薬箱は小さすぎて装弾数が30発しかない上に再装填に1分以上かかったため、弾薬箱は廃止されて装弾数200発のベルト式給弾装置に変更された。これは電動式で給弾時の問題を防いだ。防氷装置がプロペラと操縦席の風防に追加された。機首下面の窓は完全に塞がれ、乗員保護用の装甲は合計で148 kgに増加した。これらの変更により機体重心が前方に移動したため、地上で機体が転倒しないよう主脚のストラットが伸ばされ主輪も60mm前方に移動された〔Gordon, pp. 385–86〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「Pe-3 (航空機)」の詳細全文を読む




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